満月通信 204号 ( 葉 月 )
トイレは なぜ白いの?
令和5年9月29日は仲秋の明月、十五夜の満月です。
幾分、過ごしやすくなりましたが、まだまだ三十度を超える暑い日が続いております。
夕方には、鈴虫の歌が聞こえ、僅かながら秋の気配を感じますね。
通常、9月末で終わるクールビズが一ヶ月伸びる見込みで大変助かります。仕事の世界も”少々”人に優しく、柔軟になったのでしょうか。
季節の変わり目、天候の変わりやすい時期です。お身体には十分、ご自愛下さい。
唐突ですが、トイレの便器がなぜ白いか考えたことがありますか?
衛生的に見える、清潔感が高いことが一般的な理由のようですが。
中学生の時代の学校のトイレは、汲み取り式で便器はくすんだ”深緑色”。とてもオゾマシク思え抵抗感が強くありました。
八月に事務所の移転があり、28階建ての新築ビルへお引っ越ししました。専用のIDカードが無いとゲートも通れず、エレベーターにも乗れず、執務室のドアも開きません。最新鋭で、出来立てホヤホヤの高層ビルです。
考えさせられた事が、一つありました。
新築の建物ですが、いつもトイレの大きいほうの便器が汚れています。
上層階にはプール付きの一流ホテルがあり、お掃除担当の方が毎日清掃をしてくれているのですが、汚れているのです。
個室に入ると、洋式トイレの蓋が無く、いきなり便座が目に入ります。
お腹の調子の悪い方ばかりなのか、便座の下に、横に、沢山の付着物があります。
洋式トイレの蓋は、元々蓋を閉めて座り、お色直しの椅子の役割を果たすために付けられたそうですが、新型コロナの影響もあり、使用後に蓋を閉める方が増えていると認識していましたのて、少し違和感が残ります。
個室の内にはトイレットペーパーしか有りませんが、出来る限りのことをし私事を始めます。でも、なぜか いつも落ち着きません。
ここに悲しい現実を感じてしまいます。
便座を汚された方は、それを全く気付かぬ方もいることでしょう。ご自身を振り返ることが出来なくなっているほど、疲労されているのかも知れません。
汚したことを認識していても、僕の仕事ではない、他者も汚している、汚いから知らない、誰かがやるだろうなど、など・・・
色々な思いの中で、我関せずの無関心さを良しとし、知らず知らずの内に、他者に嫌な思いをさせ、迷惑を掛け、罪を増やし、借り入れを増やしているのです。
斯く斯く申し上げております小生も、三十代、四十代の頃は日常に追われ、日々生きることに四苦八苦しておりましたので、気付けることも少なく何方かの手を煩わせ、業を深めていた事と思います。オジサンになってようやく知れたこと、学べたことです。
きっかけになりましたのは、「飛行機のトイレに入ると、自分が汚したと思われたくないからいつも綺麗に掃除をする」とビートたけしが言っていたことを聞いたからでした。
今、粗相を重ねている方々も、きっと何時か気付かれる日が来ることと思います。
因果応報の法則がありますので、悔い、恥じる日が来て、借りを返す行為に至ることとでしょう。
トイレの便器が白いのは、汚れが目立つこと、何方かのお陰で、綺麗に清潔に保たれていることに気付くためかもしれません。
誰かの汚れを落とすことは、過去の自分の汚れを落とすことにも繋がることかもしれませんね。
次の満月は 10月29日です。
また、ご覧ください。 よろしくお願いいたします。
月 真行