満月通信 209号 ( 如 月 )
心 の 曇 り
令和6年3月25日は 十六夜の満月です。
春分を過ぎ、七十二候では「桜始開」と記された時節となりました。
土佐では7/24日に桜の開花宣言が今年始めて出たそうですが、埼玉のソメイヨシノは、まだまだ蕾みの膨らみも見られません。
「山桜」でしょうか? 道端には、新緑の若葉と共に濃い桃色の花がチラホラ咲き始めています。沈丁花の芳香もまだ楽しめています。
温かな春は、すぐそこまで来ているようです。もうちょっとだけ、楽しみを伸ばしましょう。
朝方には気温の低い日が続いております。お身体を冷やさぬよう、十分ご自愛下さい。
江戸中期に臨済宗中興の祖と称された「白隠禅師」をご存じでしょうか。
禅師が残された「夜船閑話」という本に「一身の元気を臍輪・気海・丹田・腰脚・足心の間に充たしめる」内観の法とあります。
禅病にかかり、若くして命を落としていった禅僧たちを救うために、白隠禅師は「呼吸法」と「内観法」を伝えられました。現在では、精神医療の現場において、心理療法の一つとして「内観療法」が用いられてるそうです。
「内観法」とは自分の心理過程をみずから観察・考察して意識的経験の知識を得ようとするものと定義されていますが、自分自身の心の移り変わりを自分自身で見つめ直し、思いの変遷(ヘンセン)や、考えたこと、選択したことの経緯や意図を見直すことから始まることと思います。
誤ったことを、正しいと判断していることがありましょう。
誤りを気づかないこと、誤りを行っていても罪悪感のないことも多くありましょう。
自分自身の心を見直す時には、正確に偏りなく状況を捉えること、正しい判断の基準となる物差しを持つことができなければ、自己保存に傾いたり、気づけることが少ないなど、成果が現れないものかもしれません。
想像してみましょう。
あなたが運転している車の”フロントガラス”が汚れています。そのまま運転を続けるとどんなことが起こるでしょうか。
砂埃が付着し、曇った窓からでは、外の美しい景気も楽しめませんね。富士山の姿もくすんでしまいます。
汚れが進むと視界がさえぎられ、運転に支障が出てしまいます。
油膜が付着すると、夜間には照明や対向車のライトがギラツキ、安全に視野を確保することが難しくなります。
横断する歩行者に気が付かず、事故を起こす可能性も高くなります。
まずは、フロントガラスが汚れている事に気付かなければ、何も変化はありません。
ウインドーウォッシヤー液が出ることを知らなければ、改善の一歩も始まりません。
気付き、知ることが始まりです。
ウインドーウォッシヤー液とワイパーで綺麗にならない時はどうしましょうか?
車を止め、汚れの具合を確認し、洗車をする、汚れに見合った洗剤でふき取るなど、適切な対策を取られることでしょう。
立ち止まり、外側から状況を確認する。知恵を使って考え、適切な対応策を行う。
心の問題も同様に対処することで、『心の曇り』もいずれ晴れることと思います。
不安な思いが続いている、心配事が止らない、イライラするなど・・・
何か楽しめない気持ちが続いたときなど、ご自身の心の中を見つめ直してみませんか。
心の曇りを 取り払うことも ご検討下さい。
次の満月は 令和6年 4月24日です。
また、ご覧ください。 よろしくお願いいたします。
月 真行